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分娩時の子宮捻転が増えてきました③

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2018年9月11日

 皆様お疲れ様です。先日はNOSAIの先生(ダンス経験者)と一緒に地域の夏祭りステージでダンスを披露してきました。さすがに二人での発表はきつい、ということになり私が所属する熊本のブレイクダンスチームにも応援に来てもらい5人で演じました。5人全員社会人なので練習時間の確保が難しかったですが(かなり大変でした)、なんとか本番踊り切りました。来月は高校生と混じって発表会です。高校生はダンスのキレが凄まじいので「動きが遅い、体力がない、ちゃんとやりなさい、仕事疲れを理由にすんなetc…」と怒られてしまいます。26歳のおじさんにとっては苦悩でございます。でも頑張るぞ~~~。

 では前回のコラムの続きです。

 私が経験した症例を織り交ぜて、治療方針の説明に移ります。出会った症例はすべて分娩期に発生したケースで、どれも稟告が「産気づいて、破水は終わっている。でも産まないし母牛に落ち着きがない」というものでした。
 まず最初に軽症なものから説明していきます。当時お母さん牛は起立しており、疲労感はありませんでした。しかし、外陰部より手を入れたとき膣部で狭窄部を確認し、もっと精査してみると子宮が捻じれていることが分かりました。捻転は約90度。また狭窄部から手や指をゆっくりと奥に入れると、なんとか胎子の頭部を掴めるほどにありました。この時点で笹崎が考えた作戦は「胎子回転法」で整復。ちなみに整復方法はいくつかありますので参考程度に以下をご覧ください。

 さて胎子回転法は胎子の一部をつかみ、これを軸にして子宮の捻転方向とは逆回転で整復を試みる方法です(赤ちゃんもお母さん牛も痛いはずです。この時は本当にごめんね)。もちろん整復に当たっては、膣部~産道を傷つけないように細心の注意を払い、丁寧に行います(これにより牛さんが次回の受胎に悪影響を及ぼしてしまってはいけませんので)。整復前に私は子宮平滑筋を緩ませてあげた方が整復が容易になるのではと思いプラニパートを手にしました。そうです、帝王切開前に投与するケースが多い塩酸クレンブテロール製剤です。注射後に胎子の頭部を掴み反時計回りに、回転させました。さすがに一度に90 度の回転は出来ませんでしたので何回かに分けてタイミングを見計らって実施しました。お母さん牛が座らなかったことや胎子のサイズが小さかったこと、プラニパートの使用で操作がかなり楽になったことにより整復できました。整復後は子宮内に留まっていた羊水や尿膜水が出てきました。ここからは通常通りのお産です。経膣分娩です。今回はOPEを選択せずに助けてあげることが出来ました。

つづく

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