2018年8月15日 細菌が原因の下痢の場合、先に挙げたクロストリジウムは細胞壁の厚い「グラム陽性細菌」と呼ばれるタイプですのでβラクタム系の抗生物質が効きますね。大腸菌やサルモネラ菌は細胞壁がほとんどない「グラム陰性」と言われるタイプなのでテトラサイクリン系やキノロン系などがよく効きます。 ところで、下痢を引き起こすウイルスといえばロタウイルスやコロナウイルスが代表選手でしょうか。 コロナウイルス感染では下痢だけにとどまらず、別名「冬季赤痢」といわれる血便ももたらします。 名前のとおり、寒い時期に集団発生的な赤痢をもたらす怖いウイルスです。このウイルスの特徴は下痢だけでなく発熱、鼻汁、発咳といった呼吸器症状の流行も引き起こしうることです。さらに、子牛だけでなく成牛での感染・発症(呼吸器症状含む)の報告もあるので、大人になっても気が抜けません。 これらのウイルスに関しては下痢予防のワクチンが発売されています。 |