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笹崎直哉のコラム
細菌培養にチャレンジ その2

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2018年6月19日

 検査手技について進めていきます。採材ですが、今回は中耳炎の牛さんの耳を内部までアルコール綿で消毒した後、スワブで耳介に付着した膿を採取しました。採取後は事務所に戻り、いざ細菌培養に入ります。

① 採取した膿を滅菌されたチューブに入れ、生理食塩水(5~10ml)で希釈
② 滅菌綿棒を膿入りの生理食塩水に浸し、培地全体に塗る

③ 37℃の培養室で24時間静置

翌日菌が培養されたかどうかをチェックします。すると四分割された培地において右上の範囲に菌がバランスよく生えていました。抗生物資の感受性試験を行うためにもう一度この菌塊を釣り、新しい培地に塗っていきます。

④ 釣菌後、再度チューブに入れ生理食塩水で希釈し、培養。24時間静置。
⑤ 翌日消毒済みのピンセットにて薬剤(抗生物資)チップを培地に置き、再度静置

阻止円ができているものが感受性がある、つまりこの抗生物資を選択すれば効果があるということになります。今回はペニシリンの感受性があり(テトラサイクリン系、エリスロマイシン系は感受性がありませんでした)、コストを考慮したうえで、迷わずペニシリンで押していくことにしました。今回は検査結果までに3日掛かってしまいましたが、初診時など早い段階で検査をスタートすれば、有用なのではないかと思います。
 
 
 
 
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