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戸田克樹のコラム
第188話「ワークマン次第なのかもしれない…」

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2018年6月6日

最近強く実感するのが、「はたらく人間が牛舎の雰囲気や成績を大きく変えていく」ということです。

ひとりで60頭の繁殖母牛を管理していたある農家さんでは、平日に思い切ってパートさんを雇うことにしました。
この農家さん、授精業務もこなしているため、急な授精依頼にも対応しなければならず、かねてより仕事が予定通り進まないことにストレスを感じていました。子牛もミルクで育てていますから、作業時間は結構かかってしまいます。母牛の粗飼料も一部ご自身で作っていますから、それこそ休みなんてありませんでした。

パートさんには母牛のエサやりを任せていました。エサをやる時間が空いたので、農家さんは子牛の世話に専念できます。余った時間で母牛の観察をするようになりました。パートさんも、ある程度慣れてきたころにはエサが足りない部屋にはエサを足していくようになりました。母牛の体型が程よくふっくらしてきました。パートさん、仕事の空き時間に牛舎の消毒を始めました。子牛の下痢が減ってきました。農家さん、気持ちと体力に余裕がでてきたのか、牛床の交換頻度が上がってきました。

あれれ?気づけばなんだかいい感じ。
妊娠鑑定における受胎率も日ごろは50%~60%だったのが、80%以上になり、全頭受胎の100%まで出てくるようになりました。毎月10頭近く治療していたのに、今では1-2頭しか治療がありません。診療所の収入は減りますね(笑)。でも、病気がなくなり農家さんも非常に喜んでいて何よりです。

牛飼いにはたくさんのテクニックや理論がありますが、実行するのはすべて人間です。ワークマンのマンパワーが何よりも一番大切な経営改善のエッセンスなのかもしれません。

ところで、ワークマンではなくワーカーが正しい表記ですのであしからず(笑)。

 
 
 
 
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