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笹崎直哉のコラム
待つことの重要性

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2018年6月5日

 先日いつものように戸田獣医師と2人で往診に励んでいました。お昼前に戸田獣医師より「今から遠方の農家さんに向かいます」とのメールが入りました。その1時間後、今度は「笹崎先生、帝王切開だ!遠いところから呼び出してすまん!」電話が掛かかってきました。「今日は厳しい戦いになるな」とやる気スイッチを投入し、次に伺う予定だった農家さんにキャンセルの電話を入れ車をUターン。

 当院ではOPEはなるべく助手をつけて行うようにしているため、今回は戸田獣医師のOPE助手として向かい、車を走らせること50分。運転時間が長いため眠気を催した笹崎は栄養ドリンクを一気飲みして、到着後すぐさまOPEの準備。戸田獣医師ははるばる遠方から参上した私に対し申し訳ない気持ちが強かったようで、「ごめんな~」というお言葉を連発。相変わらずどんなときでも優しい先輩です。

 どうやら母牛は朝早くから産気づいており、戸田獣医師が産道に手をいれたときは未だに胎子は奥におり、産道も狭かったとのこと。加えて産道マッサージでファーガソン反射を誘導するも変化なし、という帝王切開を農家さんに提案する際の典型的なストーリーでした。

 いざOPEを始めようとしたとき母牛の裾から胎子の足が出ていたので、子宮内に押し戻そうと戸田獣医師が胎子に触れたとき、衝撃的な一言。

戸田獣医師:「あれ、赤ちゃん、経膣で出るかも。笹崎先生も確かめてみて(汗)」

笹崎:「な、なるほど。戸田先生。農家さんに滑車の準備してもらいますかね(汗)。」

滑車で無事娩出完了(安産)

戸田獣医師:「なおや、ごめんな~(汗)」

農家さん:「無事に産まれて良かった~。でも、もうちょっと待ってからの判断でよかったんじゃないの~(笑)。」

戸田、笹崎「おっしゃり通りです!!お騒がせしました!」

今回でお産で待つことの重要性を感じた笹崎でした。そして帝王切開の助手ではなく、経膣分娩の助手をさせてもらい、たくさんのことを学ぶことができてよかったです。車で往復1時間40分かけて貴重な勉強ができました。戸田先生あまり気にしないできださいませ(汗)。

おしまい

 
 
 
 
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