(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第181話「子牛の下痢が悩ましい!⑩~よくないミルクの原因は~」

コラム一覧に戻る

2018年4月18日

先日の連休にて、地元宮崎で予備校時代の友人と数年ぶりの再開を果たしました。なることさえ想像していなかった30歳にお互いなってしまい苦笑する半面、仕事をして家庭を持って、だれかの役に立って…。少しずつですが、ちゃんと大人になれてるかな~と。
いつになったら大人になりきれるのかが今後のテーマとなりました(笑)

今回は、「発情でもないのに母乳のせいで子牛が下痢をする場合って何でしょう」がテーマです。

それは母牛の栄養状態が低エネルギー状態にある場合です。
いわゆる「腹ぺこストレス」を存分に味わっているときですね。

お産前は子牛の骨格や筋組織発達のために、産後は乳汁中に栄養分がもっていかれるため、産前産後の母牛のエネルギー要求量は必然的に上昇します。
エサの量が妊娠していない時期と同じ、もしくは普段から少ない場合は牛さんの体はどんどんエネルギー不足に陥ってしまいます。

そうすると、どうなるのでしょうか。

まず、お腹いっぱいな牛さんを考えてみましょう。大きなエネルギー源としては糖と脂肪が挙げられます。


十分な栄養をとれていると、血液中にグルコースも、プロピオン酸もたっぷり。
この場合には分解で生じたアセチルCoAやオキサロ酢酸を利用して回路がきちんと回り、結果エネルギー(ATP)が作られます。

細かい名称はさておき、「栄養が足りていれば分解されてできたものが代謝回路を回してエネルギーになるんだ」ということだけ覚えていただければ大丈夫ですよ。
では、栄養が不十分な場合はというと…

つづく

|