(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
笹崎直哉のコラム
腸管についていろいろ その3

コラム一覧に戻る

2018年4月17日

 皆様お疲れ様です。4月も後半に差し掛かり、だんだんと気温が上がっているところです。そうです、暑さに弱い笹崎は非常にこの現状に悩まされています。前回はこの対策をとっていなかったため夏バテを繰り返しました。今年はどうやってサマーシーズンを乗り越えようか、、、これが課題となっています。診療つなぎを通気性がよく、汗がすぐ乾いてくれるような生地にするか、サプリメントを常時停滞して熱中症に備えるか等考え中です。良い案があれば是非教えてくださいませ。

 さて今回は腸管と免疫について考えていきます。生まれたばかりの赤ちゃんは生理的に免疫系の機能が発達しておらず、ストレスなど免疫機能を抑制する要因が影響すると、どうしても免疫不全に移行しやすくなってしまいます。体の中の免疫組織といえば胸腺、リンパ節、扁桃、脾臓などを思い浮かべますが、実は腸管には全身の60~70%ともいわれる免疫細胞が集まっているのです。腸管には複数のリンパろ胞(小さな球体の構造物)が集まって作られたパイエル版があり、このパイエル版の上層にM細胞が存在します。このM細胞こそが体内に侵入したウイルス、ばい菌を積極的に取り込んでくれるので腸管免疫の第一線で活躍してくれる細胞なのです。

 よってこのような免疫応答をしっかりと発動させ免疫能を獲得するためにも、子牛さんの正常な腸内細菌叢の維持は鍵を握っているため、幼齢期に下痢症をさせないことは今後免疫を備えていくうえでポイントになってきます。

つづく

|