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松本大策のコラム
たまには中国情報 その1

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2018年3月9日

 最近、また中国での指導の依頼が少し増えてきたので(1カ所でいっぱいいっぱいなので断っていますけど。防疫も本当に大変ですし。)、最近の中国の牧場や社会情勢について、肌感覚でお伝えしようと思います。

 僕の実感として、日本は本当に景気が悪いというか、先行きが見えないというか、とにかく閉塞感のようなものでいっぱいな気がします(僕だけ?)。ニュースでも「若い人の死因のNo.1は自殺!」だと報じられていました。若い人と言っても、具体的に何歳から何歳まで、とかは聞き逃したのですが、なんかやるせないですね。

 それでは、お隣の中国はどうなのでしょうか?なんだか、報道では「中国が世界中の農地を買いあさっている」とか、「中国が保有するアメリカ国債が過去最高額になった」とか、「中国の軍事力がどんどん向上している」とか、「中国のGDPがとても高い水準である」とか、そういう「なんか中国が一人勝ちじゃないか!」という気にさせる情報で溢れています。

 しかし、実際に毎月中国を訪ねて定点観察している目から見ると、とても鵜呑みには出来ません。実際、中国の大学生は卒業しても就職先がなく、路肩でものを売っている人たちも少なくありません。中国の知り合い(政府の方や実業家)も、周囲を気にせず話せる場面になると、「中国は習近平さんの独裁になったから、役人が失敗を恐れて仕事をしない」とか、「役人の接待が禁止になったから、高級品(牛肉も含めて)売れなくなった」という話を、たくさん耳にします。 まるで、官官接待が禁止されて、高級品が売れなくなり、ひいては庶民にもお金が回らなくなった日本の後追いのようです。

つづく

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