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蓮沼浩のコラム
第506話:獣医師の人数雑感 その5

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2018年2月14日

 連日寒い日が鹿児島も続きます。今年は例年になく寒い冬になっていますね。

 先日診療所に家畜保健衛生所の先輩がこられました。そこで色々とお話をしている中で、県の獣医師の人数の話になりました。薄々話は聞いていたのですが、やはり慢性的に人員は不足しているとのこと。やはり産業動物の獣医師はなかなか簡単には集まらないようです。小生は牛さんの獣医師なので、ウシのことばかり考えていますが、もちろん畜産はウシだけではありません。家畜保健衛生所では、すべての家畜を対象にしなくてはいけないので大変です。現在どの畜種にも最重要疾病があるので本当に気が抜けません。ウシであれば口蹄疫、ブタであれば口蹄疫とPED、そしてニワトリであれば鳥インフルエンザ。どれも超強烈な疾病ばかり。これらの疾病は畜産業だけでなく、場合によっては地域経済等も巻き込む大変な伝染病になります。畜産県の家畜保健衛生所の獣医さんは、一人でかなりの件数の担当農場を抱えているので、本当に大変です。

 また、獣医さんのよく読んでいる「家畜診療」という雑誌の産業動物獣医師の募集欄もたくさん獣医師の募集が出ています。毎月チェックしているのですが、一向に募集している数が減る気配はありません。ある先輩は、明日からでも来てほしいといっていました。ただ、獣医師の人数は以前書いたように増えているのです。増えているはずなのに、産業動物獣医師の人数は年々減っています。今回は公務員の獣医師の人数も100人以上減っています。産業動物と公務員獣医師の人数を合わせても、毎回人数が増えている小動物臨床の獣医師の人数にはかないません。これにはもちろん世の中の流れを含め、多くの要因があると思います。

 ただ、この現実を前にどうしていけば良いのか???色々と考え、行動していかなくてはいけないと田舎の鼻くそ獣医師は思うところであります。

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