2018年2月13日 先日農家さんより「育成の子牛の下痢がなかなか治らなくて痩せてきた」との連絡をもらい往診しました。牛を捕まえる前にじっくり望診している最中「おやおや?」と違和感。 もともと毛深で学生のときから友人にいじられていた笹崎は(どうでもいい情報です)、妙に親近感を得てもっと詳しく見てみると、特に腹底部の毛が長くなりボサついていました。実はこれは床冷えなどでお腹を冷やしてしまっている証拠のひとつなのです。他にも遺伝的な要因など、いろいろなものがありますが、今回は寒さからお腹を守ろうとして被毛がぐんぐん伸びてきてしまっている状態と考えてください。もちろん腹底部にはルーメンを初めてとして胃腸がありますから、低温さらされることで消化機能の低下や免疫力が落ちてしまい下痢を起こしているのではと推測しました。ちなみに体温が1℃下がると、免疫が約8%低下すると言われています。 それに基づいて、床替えの指示と胃腸を休ませるために電解質入りの温湯(ポカリスエットをイメージしてください)を飲ませるようお願いし、念のため糞便採取をして帰りました。顯微鏡でコクシジウムとクリプトスポリジウムのオーシストは見つけられなかったので、残す可能性としてウイルス性(主にロタウイルス、コロナウイルス、BVDMDウイルス)か細菌性の下痢(おもにクロストリジウム、毒素原性大腸菌、サルモネラ)が考えられます。 治るかな、、、どうなるか、、、と不安になっていた笹崎ですが、翌日便が軟便程度に回復し、さらに翌日良便になっていましたので一安心。お腹を温めるのは特に冬場は大事なことですね(われわれ人間も)。 前の記事 いざ直腸検査トレーニング その4 | 次の記事 いざ直腸検査トレーニング その5 |