2018年2月8日 昨日も宮崎の山中のコンサルでした。南国宮崎とは思えないマイナス8℃の雪の中、スタッドレスタイヤのありがたみをかみしめながら、さらに山奥の農場へ。 農場へ着いて、防護服に着替えていると、まさかの「2週間早いのに破水した」との場長のお話し。もしやここでも難産介助か?と思いつつ牛舎に行ってみると、母牛の陰門部からは何も出ていないのに床には羊水(2次破水の胎水)と鮮血!(写真1)早速上半身脱いで消毒した手を突っ込むと、いくつかの胎盤がすでにはがれていました。(写真2) 実は、早期胎盤剥離の原因は、人の医学でもまだ解らないんです。でも、胎児が生まれる前にたくさんの胎盤がはがれてしまうと、赤ちゃんはお母さんからの酸素ももらえませんから死んでしまいます。農場によって出やすい農場があるので、なにか共通の原因があるのか?と考え続けているのですが、まだ思いつくものはありません。この農場でも早期胎盤剥離は何頭も出ているそうです。 とにかく急いで子牛を娩出させてあげなくてはいけません。しかし、このお母さんは、産道も頚管も拡張不全でおまけに胎児も尾位上体向(いわゆる逆子ですね)でしたから、用手法で産道拡張させて子牛の両後足にハーネスをかけて滑車で引っ張って娩出させました。でも、頚管は開ききれなかったので、直腸方向への裂傷を防ぐために左横を爪ではじいて裂いて、なんとか無事に娩出してくれました。 生んだ後は、とてもいいお母さんで、すぐに子牛をなめてくれて、そういうお母さん牛を見ていると、寒さも疲れも吹っ飛びます。でも、日曜日に狭心症で救急病院に行ったばかりなんだけどなぁ。 前の記事 雪の中お産・・・! | 次の記事 日本の経済政策の提案(ダメなやつだとは思うけど...) |