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笹崎直哉のコラム
冬場の飲み水について

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2018年1月9日

 皆様お疲れ様です。私は今年も年末年始を鹿児島県で迎えました。と言っても何も特別なことはなく、いつも通りに元旦からウルトラハイテンションで診療車を走らせ、仕事していました!(^^)!。「~さんあけましておめでとうございます!!!今年もよろしくお願いします!!!!元気に元気な牛さんを育てましょうね!!」と牛舎内に響いてしまうほどの大声で診療先の農家さんに挨拶してから診察をはじめる、という流れが私の仕事初めでした(さすがにうるさいと怒られてしまったときもありましたが 汗)。当院では獣医師と事務員の抱負を元旦に掲載しております。うまく達成できるかわかりませんが、良い年にするために頑張っていきます。どうぞよろしくお願いします。
 
 
 今回は飲み水について紹介いたします。子牛ちゃんにターゲットを絞ってお話させてもらいます。

子牛が下痢したり、発育が悪かったりする原因に「水」が関係していることをご存知でしょうか。

子牛をお母さん牛に付けている自然哺乳の農家さんは「え?ミルクを飲んでいるのだから水はいらないのでは?」と考える方は少なくないと思います。子牛はミルクに負けないぐらいしっかりと飲水をします。私の診療時の実体験ではスターターやチモシーといった粗飼料を食べた後、気持ちよさそうに水を飲んでいる子牛をよく見ます。ミルクだけでなく綺麗な水を定期的に給与してあげることでスターターや粗飼料の消化、吸収が助けられるので、自然と採食量が上がってきます。

では気温の低下が著しい冬場の時期を考えてみましょう。少し贅沢かもしれませんが、水の温度を上げてみるというのはどうでしょうか?冷水ではなく「40℃くらいの温湯」を準備してみましょう。子牛が水を飲んだ時は、そのまま四番目の胃に移動していくのですが、水が冷たいと第四胃の近くにある小腸や大腸が冷えてしまい、腸内細菌が乱れてしまったり、腸の運動が不安定になることで下痢をしてしまいます。これは床が濡れていて子牛がお腹を冷やしてしまい下痢をするのと似た考え方です。常に温湯を準備するのは大変なので一日の中でスターターをバケツに入れた後など、時間や回数を決めて始めてみるのも良いと思います。思わぬところで冬場の子牛の下痢が減ったりする娘も知れません(^^♪。

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