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戸田克樹のコラム
第167話「寒い季節になると点滴が悩ましいです」

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2017年12月27日

クリスマスが終わりました。
サンタさんはフィンランドでこれから年末休暇に入るのでしょう。お疲れさまでした。

さて、今年の冬はちょっと寒すぎます。鼻はつまるし鼻水出るし、たいへんです(泣)。
こんな寒い季節に家畜獣医師を悩ませるのが脱水や低体温症を示している牛さんへの点滴です。

なぜか

点滴が車の中でキンキンに冷えてしまっているからです!
このまま点滴を流してしまうと、体が中から冷えてしまって余計に体調が悪化してしまいます。

往診先までこうやって車内暖房で温めることもありますが、めっちゃ時間かかりますのであまりおススメできないです。

前もって点滴をすると決めているケースは少ないですよね。そのため基本は現場でなんとかするしかありません。

現場ではとにかくお湯をもってきてもらいます。
そこに点滴をドボン!しばらくつけておけばホカホカの点滴ボトルの完成です。

しかしここで問題が…。
とくに子牛の場合は心臓や肺への負担を少なくするために点滴の流速をゆっくりにしないといけません(1秒間に1滴くらい)。つまり…

その間に点滴ボトルが冷気にさらされて冷めてしまうじゃないか!( ゚Д゚)
ってことになります。

そのため、たいていの場合は点滴チューブをこうやってお湯につけ、刺入部に近いところで温めるという作業も行います。

保温ってだいじですよね~

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