2017年12月1日 ◎ご質問・ご相談コーナーへご投稿をいただいた質問と回答の内容をご紹介いたします。 ご相談内容 地元の先生の診察で左後足の指先骨折の牛さんがいます。治療を何度かお願いしたのですが、状態がよくなく改善しません。 生後月齢19ヵ月齢の宮崎中央市場導入のメス牛さんで、11月14日から足の状態が悪かったという話です。はじめは5頭で飼っていましたが、17日に独房へと移動したそうです。 治療歴は、 25日から現在まで下痢が続いているためアースジェネターを10g経口投与しています。 何かよい治療方法がありましたら、教えて頂けると幸いです。 回答 これはご心配ですね。 まずは、左後肢の蹄から中足の一番上までを軽量ギプスで固定してはいかがでしょうか。これによって、足の傷んだ部分に体重のかかる割合が減らせるので楽になると思います。足について内科的に補助するとしたら、ビタミンD、エルカトニン(カルシトニン剤)、プリモボラン(タンパク同化ステロイド)、カルシウム剤などを用います。 次に、消化器に問題がある場合は、粘膜修復剤としてビタミンAと亜鉛の注射を使います。ビタミンAはゼノビタンでもフォルテでもかまいません。亜鉛製剤は、通常ならドン八ヶ岳(ゼノアック)をお勧めするのですが、粘膜が傷んでいると、吸収に不安がありますから「ボルビサール注」という人間の中心静脈栄養に使う注射剤の静脈注射(10アンプル/日)がよいでしょう。 地元の獣医さんに、「出荷制限指示書」という物を書いていただくと、上記のすべての薬剤が合法的に使用できます。お手軽には、人間の胃腸病に効くという温泉が近場にあれば、そのお湯を飲ませるのもよいです。 それからデキサによる免疫抑制の影響で、コクシジウムが暴れている可能性もあります。エクテシン液を50ml、2~3日経口投与しましょう。 前の記事 鹿児島で天文塾やってきました。 | 次の記事 頸椎ヘルニア |