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戸田克樹のコラム
第148話「ペニシリンアレルギーの恐怖~そもそも論③~」

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2017年8月16日

さて、抗原にIgG抗体が付着するとそれが目印となり、免疫細胞がガツガツ食べてくれます。

しかし、抗原にIgE抗体が付着すると違う反応が体内で起こります。
このときに登場するのが「マスト細胞(肥満細胞)」という免疫細胞です。

この細胞は細胞内に「ヒスタミン」といわれる物質をたくさん含んでいます。
もうお気づきですね?このワード、聞くだけでおそろしいですね。

IgE抗体に引き寄せられてマスト細胞が出てきました!
抗原にくっついたIgE抗体とマスト細胞が結合してしまうと…。
マスト細胞からヒスタミンが大量に放出されてしまうのです!
その結果、アレルギー反応が引き起こされるというわけです。

この現象は「脱顆粒」と呼ばれています。
マスト細胞から、ヒスタミンを含む顆粒が外界にぶわ~~~!!っと放出される、恐ろしい現象の名前ですね。
 
 
では、ヒスタミンが放出されるとなぜ「目が腫れる」「外陰部が腫れる」といった症状が現れるのでしょうか。

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