(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
笹崎直哉のコラム
症例紹介 その1

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2017年6月27日

 皆様お疲れ様です。比較的梅雨入りが遅く、今の時期になって連日雨が続いております。私はというと雨が嫌いです(´;ω;`)。なので雨にも負けず、風にも負けずをモットーに診療車を走らせています。しかし私は雨男じゃないのに、診療車から降りた瞬間に急に土砂降りの雨に遭遇するときが多く、今にも風邪を引いてしまいそうな勢いです。そういうときにいつも感心するのは、雨に打たれても平気でモグモグと反芻する牛さんの存在です( ゚Д゚)。この姿をお目にかかると天候に負けていられませんね、梅雨の時期なんとか乗り切ります!!
 
 
 今回のコラムは子牛さんの症例紹介です。5月の下旬に繁殖農家さんから電話があり「子牛がいつもより元気がない」との連絡を受けて現場へ。お母さん牛と一緒の部屋で暮らしている子牛なのですが、確かに望診の段階でなんとなく元気がないのです。「4/1生まれで性別は雄」という情報から1ヶ月齢以上経っている子牛さんだからある程度の免疫力、体力は備わっているだろうという予測のもと、診察に入りました。

 まず触診で皮温(皮膚の温度)が冷たく、体温が37.9℃、心拍数60回/分、呼吸24回/分、飲乳欲有り、起立欲有り。そして排便を促してあげると緑黄色の良便で左右腹部の拍水音(ポチャポチャ音)は無し。「んー、何だろう!!」
診断が付けることができず、低体温と皮温冷が気になり採血を実施しました。
何らかの原因で体内の循環が悪い状態なのだろうか、、、循環に携わるとすれば肺、心臓、肝臓、腎臓が関わってくるのだろうか、、、、と考えを巡らせて血液検査の結果を待つと驚くべき数字がでました。
特に目がついたのは
 尿素窒素(BUN)143.6 mg/dl
 クレアチニン10.11 mg/dl  
次の日、腎臓や膀胱の疾患を疑って診療車を走らせました。

つづく

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