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蓮沼浩のコラム
第474話:何処に注目? その1

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2017年6月22日

 最近忘れかけていたので徳川15代将軍の名前をもう一度すべておぼえなおしました。今度また寛永寺と増上寺にいってみようかな~と訳のわからないことを思っています。
 
 
 牛さんを診察する時、小生は一体どんなことに注意して行っているのだろうか?
そんなことをちょっと考えてみました。
 
 まずは農家さんの稟告の聞き取りはとても大事になります。とにかく診察に入る前に色々なことを話します。いつからこのような状態になったのか、症状はどんな感じか、出荷は考えているのか、など気が付いたことを状況に応じて色々と聞き取ります。そして農家さんのお話をできる限り聞きます。まあ、これはどんな獣医さんも普通にやっている事なので特筆することではないのですが、ポイントはこの稟告を聞き取る方法になります。月並みなことですが、とにかく話しやすい雰囲気をつくることにつきます。色々な性格の農家さんがいらっしゃいます。もうこれは普段の往診で鍛えた人間観察の技術を駆使するしかありません。小生の敬愛する小動物病院の先生が仰っていました。「蓮沼~、こっちは毎日物言わぬ犬や猫を診察しているんだぞ。ちょっとした発言や仕草でヒトの心なんてものは大体わかるよ~ワハハハ」
最近は稟告なんて非常に曖昧だし、間違っていることも多いからあまり聞かないなどという話を聞くことがあります。しかし、病気の牛さんを前にして農家さんと一緒にあれこれ話しながら一緒に治療に取り組むことは非常に大事なことだと小生は思っています。稟告を聞くということ一つとっても非常に奥が深いことです。小生もまだまだ未熟者。そのためには獣医学以外の知識や経験も非常に大事だと思っています。

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