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戸田克樹のコラム
第120話「床冷え」

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2017年1月17日

日本列島を寒波が、それも大寒波が襲っています。
幸いなことに、診療所のある阿久根市では雪は降っていません。
霜が降りて、指がかじかむ程度でしょうか。それでもあまりに寒いので自販機で温かい飲み物を買ったところ

間違えて下の冷たいボタンを押してしまいました。寒い…。

さて、こんな冷たいときに気をつけたいのは子牛のいる部屋の床のしめり具合です。
とくにハッチで管理している子牛では、「濡れた床」は大敵です。

まだミルクを飲む時期の子牛さんは皮下脂肪がとにかく少ないです。
熱が逃げないようにしてくれる皮下脂肪がないので、体温は簡単に逃げてしまいます。

もし床がこんな状態だと、、、

体温をどんどん奪われて子牛さんは衰弱してしまいます。
せっかく摂取したエネルギーも体温を上げるためにどんどん消費されてしまいます。
タンパク質をつくるために必要なエネルギーがなくなるので、すくすくと大きくなることもありません。
お腹も冷えますから下痢だって発症しやすくなります。
免疫力も落ちてカゼや肺炎を発症するかもしれません。
しばらくして治療の嵐…なんてことになるかもしれません。恐ろしいです。

このような床は変えるのがベストですが、「忙しい」「手が回らない」という意見ももっともです。
もし余裕がない場合は、緊急措置としてワラをどっさりと足したり、濡れてしまった床の上に飼料袋などをしいて上にワラをしくっていうのも手ですよね。これなら濡れた床面と直接触れることがありません。

みなさんの農場の子牛が座っている床の状態はいかがでしょうか。

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