(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
第455話:粗飼料雑感

コラム一覧に戻る

2016年12月8日

 忘年会シーズンになってきました。当然お酒を飲む機会も多くなってくるのですが、小生にとっては恐ろしい時期になります。泥酔しないだろうか、酔っ払って人に迷惑をかけることがないだろうか、カミさんに激怒されないだろうかなどなど不安がつきません。最近少しは上手に飲めるようになってきたと思っているのですが、過去の醜態が脳裏をかすめ、本当に怖くなります。「安全運転」はいつも気を付けているのですが、「安全飲酒」も気を付けなければ・・・・ってか、自分の馬鹿さ加減にほとほとあきれます。

 繁殖母牛が食べる一番中心となるものと言えば、やっぱり粗飼料になります。第一胃の中は粗飼料でいっぱいです。配合飼料ももちろん大切ですが、基本はやっぱり粗飼料になります。この非常に重要な粗飼料なのですが、いろいろなところを回っていると今年は日本各地で天候不順のために、ワラや牧草がしっかりと確保できなかった地域が多い気がします。

するとどうなるかといいますと・・・・、急遽普段とは違う購入乾草を与えることになったり、品質の悪いものを牛さんに給与せざるをえなくなったりする事例がでてきます。皆さんのところはどうでしょうか?このように粗飼料が普段と大きく変わる時は要注意です。

今までにないコストがかかってしまうことから、給与量を制限したり、グレードの低い乾草を与えたりすることで、すぐには変化が現れないのですが少しずつ牛の状態が悪化してくる可能性があります。繁殖成績が低下する、虚弱子牛が生まれる、子牛の下痢や病気が増えるなどなど。手に入らないものはしょうがないので、このような時こそ添加剤を上手につかってもらいたいですね。ビタミンやベータカロチンは大丈夫か?微量元素はたりているか?タンパクなどの栄養は大丈夫か?粗飼料の状態が安定してくるまでは、今まで以上に意識してこのようなものを補給してあげることは大事なことだと思います。変化が目に見えにくいので対応が難しい面がありますし、影響が出たときはすさまじいことになっている事例もあります。何か普段と違うと感じたときは頭の片隅に「粗飼料」のことを思い浮かべていただけたらと思います。

|