2016年12月7日 診療3日目。診療2日目にはあんなにしっかり立つ気力が出てきたので、今日は自力で立ったり、目が開いていたり…かなり牛らしくなっているんじゃないかな~(寝たきりの状態ではまるで子犬でした(笑))とウキウキしながら診療へ向かうと… 『先生…ごめん。お尻が…』農家さんがやや元気がありません。 『まぁ、診てみて…』と言われ、その子を見に行くと・・・。 (大変衝撃的な写真が続きます。血が苦手な人はご遠慮ください!) 有害駆除で放たれていた猟犬が迷って放浪していたんでしょう…。なんと、夜中に猟犬に尻尾とお尻の肉を噛みちぎられていました。目も開かず、鳴くことも逃げることもできないこの子牛が、腹を空かせた凶暴な猟犬に噛まれるのを、どんな思いで我慢したかと考えると涙がでてきました。 尻尾は根元まで骨ごとちぎれて骨がむき出しです。肛門はなく、直腸が途中でちぎれている状態です。子牛は、かろうじてまだ生きていましたが、『すいません。これは助けられません。楽にさせてあげましょうか?』と農家さんに伝えました。『先生が頑張ってくれたから、もう一回だけできる治療してあげて。』と言われ、できるだけの傷の処置と抗生剤などの治療を行いました。 しかし、この子はその日の夕方に死んでしまいました。 新生子は、野良犬やアナグマ、キツネなどに噛み殺されやすいです。親牛が一緒にいれば守ってくれることもありますが、親から離した場合、他の動物が入ってこない囲いを必ずつけるようにしたほうがいいです。また、今回のような未熟児であれば、家に連れて帰って立てるようになるまでは家の中で面倒を見てあげてください。 前の記事 割り込み~早産!23kg子牛!~② | 次の記事 自宅で簡単!飼料設計!やってみよう③ |