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松本大策のコラム
恒例の鹿児島天文塾やりました !

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2016年12月1日

 今年も、11月29日 いい肉の日に、鹿児島市の天文塾発祥の地「天文館」で天文塾を開催しました。天文塾というのは、アース技研の佐藤社長が鹿児島の農家さんに呼びかけて「各自自腹で」勉強会と親交を深める懇親会(こっちがメインかな(笑))をする会で、次第に仲間も増えて九州全域、鹿児島の離島、本州からまで参加してくださるようになりました。
 今では全国で札幌天文塾、帯広天文塾、伊勢崎天文塾、広島天文塾、鳥取シェパード会(最近やってないなぁ、ごめんなさい)、栄塾(こっちも最近やってませんね。ごめんなさい)、など各地でも開催されるようになりました。

 しかし、ビックリしたことに、鹿児島天文塾は今年で15回目 !ということは、始めた頃は、僕はまだ40歳! ああ、あの頃に帰りたい !
 それはともかく、まあよく話題も尽きないものだなという想いと、みなさん、よくついてきていただけとものだなぁ、という感慨に耐えません。

 今年の中身は、畜産の現状と、喫緊の話題として税金の用意(経費とかのお話しも)、それから畜産の経営についてお話ししました。経費は、固定費と変動費に分けられますが、畜産は「素牛価格」と「飼料代」という変動費の塊で、しかも固定費(人件費だの畜舎だの)にしても、100頭くらい増やすと固定費と言いつつも人を増やしたり畜舎を立てたりで、固定費も規模によって簡単に増加します。
 ということは、他の産業のようにシェア優位性もなければ、規模拡大のメリットも少ない、もっというなら、売り先の確保や運転資金などの面では苦労する、という産業です。

 自分の身の丈や社会情勢に合った適正規模の維持が、「しあわせな牛飼い」のためには重要だと思うのです。そういうお話を、いろんな実例や例えを交えてさせていただきました。
 だいたい、金を保有する人は「時価総額」で棚卸しになるのに、肥育農家さんが100万円の子牛を買った場合、時価からいうと導入1ヶ月後はなんらかの事情でお肉に出してもせいぜい屠場経費と相殺です。でも棚卸資産として課税されるのは、導入価格プラス飼育中の経費上乗せです。なんかおかしくないですか?みんな、もう少しおかしいことはおかしいで働きかけましょう。

 もちろん、最近の牛さんの治療や肥育試験の結果、繁殖のポイント、肥育のポイントも急ぎ足でしたがお話ししましたよ。
 こういう地域や業種を超えて意識をつないで行くのって、とても大切だと思うのです。来年も、全力で頑張るぞ!(生きてたら(笑))

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