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笹崎直哉のコラム
胃汁移植にチャレンジ

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2016年11月28日

 皆様いつもお仕事お疲れ様です。突然ですが先日仕事中に鶴を見ていたら、急に「ああ、自分もあの様に空を飛びたい!!」と思うようになり、休日に熊本県の阿蘇でヘリコプター遊覧をしてきました。ちょうど研修生であります竹内先生も休日であったので「空を飛びに阿蘇に行きませんか?」とお誘いしたところ、お許しを頂いたので一緒に行ってきました。天気は生憎の曇りでしたが、心身共にリフレッシュできました!(^^)!

 さて今回のコラムは胃汁移植についてです。ある日「先生、もう7ヵ月齢になる雌牛が餌をたくさん食べてくれない」とのことで往診に向かったのですが、いざ到着してその牛を診てみると明らかな発熱、咳、鼻水、下痢などの症状は呈していないにも関わらず、非常に痩せていてお腹が小さい、、、胃の動きもいまいち、、、肋骨が浮き出ている、、、。言い換えれば発育不全。よし血液検査だ!!と気になる項目を調べていくと、驚きの血中総コレステロールの数値が「7」。
 これはまずいと思い、7ヵ月齢の牛さんならもう粗飼料をしっかり食べれる年齢なので、古くから行われている胃汁移植にチャレンジしました。今回はルーメン内のPHと菌叢を胃汁移植により安定させることで、餌の発酵を促進させ、食欲を出してあげるのが目的です。胃汁採取に用いたのは、千葉共済式胃汁採取器です。

比較的粗飼料をよく摂取し、左膁部を触れたときにルーメンマットが充分に形成されているベテランのお母さん牛から胃汁をもらいました。(何も病気もしていない健康なお母さん牛にカテーテルを使って胃汁採取してしまい、とても申し訳なかったです。ストレスかけてごめんね、、、泣)
700ccほど採取したらそのままの状態で生菌剤をまぜ、例の牛さんに投与しました。次の日以降は食欲が改善したとのことだったので、治療の反応性はよいかなと感じました!(^^)!。

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