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笹崎直哉のコラム
Information of 角 パターン2

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2016年10月24日

 皆様お疲れ様です。先日お休みを頂いて、フルマラソンに出てきました。天候は雨で、足場が悪かったのですが、鹿児島は秋でも暑いことがあるので、それを気にしていた僕にとっては雨で気温が涼しくなることはむしろラッキーでした(笑)。
 結果は、、、見事完走です!!(^^♪

 でも後半の30km地点からは足の痛みでほとんど歩いていましたし、非常に辛かったです(笑)。出場して良かった感じたことは、ゴールした時に達成感が込み上げてきたこと、雨でも応援してくれる方々が沢山いてくれたことです。辛い状況下のときの応援は励みになりました。本当に感謝ですね。来年も出場できればしたいなと思います。

 では前回のコラムの続きです
それでは次の写真はどうでしょう(._.)(._.)

この角の持ち主はお母さん牛です。年齢的にいえば10歳を超えている年配の牛さんです。角の溝が途中から周期的に見えますよね。そして明らかに緩やかな溝ばかりですね。分かり難いかもしれませんので違う角度からも撮影しました。

この溝はどのような理由で形成されるのでしょうか、、、答えは「分娩のストレス」からです。お母さん牛は分娩前から、分娩時、そして分娩後までの長い期間ストレスを受けているので溝が緩やかになっていると私は考えています。

 一般的にお母さん牛は妊娠末期、特に分娩2か月前はお腹の中の胎子が急激に成長する時期です。数値で表すと分娩2か月前~分娩時まで胎子は25~30kg体重が増加し、羊水は20kgも形成されます。よってお母さん牛は合計45~50kgの体重分の栄養を追加で作らなければなりません。非常に大変な時期ですよね。

 また最近は妊娠期間が長くなる傾向にあります。黒毛和種は289日が平均妊娠期間なのではないかという声も最近お聞きしますよ。分娩後に関しても子牛のためにおっぱいを出さなければなりませんし、子宮の回復にもエネルギーを消耗すると思います。以上より、お母さん牛の角の溝がはっきりわかるのは当然のことかもしれませんね。

 私は診療時にはお母さん牛の角の溝数を計測して大まかな産子数を予想するように心がけています。この行為が診療中に活用できるのかと言われると、、、んーなんとも言えませんが、これから役に立てることがあればと強く願っています(汗)。

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