2016年10月18日 各地で稲刈りが始まっております。 食欲不振の原因が低カルシウム状態にあったことが確定しましたが、もうひとつ目につく値がひとつ 血中のクロール値です。 クロール? 血液中に存在している塩素イオンのことで、化学式ではCl⁻と表記されます。 基準値はだいたい100~110 (mEq/L)程度です。 このクロール値、体内では調整機構がはたらき、吸収量や排出量は自然と調整されるため、基準値を超えることはほとんどありません。 ただし、基準値を下回るケースには牛さんの場合、ときどき出会うのです。 臨床の現場では 『基準値を下回ったのは吸収量が減少しているからではないか』 という考えにいきつきます。 塩素イオンは食塩に含まれています(食塩の化学式はNaClで、ナトリウムとクロールで構成されていることが分かります)。大量に摂取する必要はまったくないので、牛さんの場合は鉱塩を設置していれば、そこから十分な量を摂取することができます。 では、なぜ吸収量が減少するのでしょうか。 つづく 前の記事 第106話「こんなときの血液検査④~食欲がないPart 4~」 | 次の記事 第108話「こんなときの血液検査⑥~食欲がないPart 6~」 |