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蓮沼浩のコラム
第450話:遺伝子の世界

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2016年9月29日

 最近はどうしちゃったの?というくらい本ばっかし読んでいます。とにかくヘロヘロになっている時には本読んですぐ寝る。とにかく寝る。小生の特技はどこでも寝られることです。若かりし時の野宿経験が非常に役にたっています。ひたすら寝る。これが私の一番の健康法です。
 
 
 さて、前回乳牛の世界について肉用牛の獣医師の立場から少しお話しししましたが、それ以外にも勉強になることがいろいろあります。

 最近特に注目しているのが、ハプロタイプという遺伝子の問題。このハプロタイプというものは、特定の塩基配列型のことを言うようです。ホルスタインではホルスタイン・ハプロタイプ1、2、3と3種類判明しています。他にもジャージーなどにもあるそうです。このハプロタイプというものが遺伝子のなかにあると、受精卵の胚死滅をおこしたりする繁殖障害の原因となっていることが判明しています。受胎率もかなり落ちるといわれています。

 まだ日本ではあまりなじみのない話ですが、遺伝子レベルでのこのような研究は海外ではかなり進んでおり、今後日本でも乳牛の世界では注目されてくるのではないでしょうか。

 和牛の世界でも、現在は種雄牛を作る時にはかなり遺伝子の研究成果が取り入れられ始めています。今後はこのような遺伝子を見ながらいろいろと判断する時代が来るのかもしれませんね。現在はエコーによるBMSの判断技術はかなり精度が増してきていますし、本当に枝肉共励会でもA5の12番のオンパレード。いろいろな面で、畜産の世界は日々進化しているとつくづく思います。小生が獣医師になったころは一生に一度12番がでればよいといわれていたのに、本当にその当時と比べて驚くほどの進歩です。まだ先のことかもしれませんが、和牛の世界でも繁殖性に関する遺伝子検査なども広がってくるのかもしれません。

 ただ・・・もろに中年のおっさんになった小生には、世の中のスピードが速すぎて、だんだんとハードルが高くなってきています。遺伝子の世界なんて、もう何がなんやらさっぱりわからんです。時代の流れを日々感じるこの頃です。

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