2016年9月28日 ①体内受精卵移植 体内受精卵移植は、ドナー牛(受精卵を採取するメス牛)の体内で受精・発生した胚をレシピエント(受精卵を移植されるメス牛)へ移植する技術です。この時、ドナー牛は、遺伝的に肉質の良い能力を持つ牛や泌乳能力が優れている牛が選別されます。レシピエント牛は、受精卵を移植される牛(つまり“代理母”“借り腹”のことです!)なので、健康で妊娠可能な牛ならば、問題ありません。 技術の流れとしては、過剰排卵処置→受精卵採取→受精卵移植となります。では詳しく説明していきましょう~( ˘ω˘ ) ホルモン投与の一例をあげていますが、投与量や投与間隔は品種や体格によって調節が必要です。FSH(卵胞刺激ホルモン)の連続投与により多くの卵包を発達させます。次にPGF2α(プロスタグランジンF2α)を投与することで黄体を退行させ、発情・排卵をおこします。この時にAIを行い、大体3~4日後(発情から約7日目)に子宮潅流して受精卵の回収を行います。 AIをおこなってから3~4日後に受精卵を回収するのにはちゃんとした理由があります。発情後5~7日に、受精卵は桑実胚~胚盤胞と呼ばれる次のような状態をしています。桑実胚の状態から移植が可能ですが、最適な状態は胚盤胞期です☆ この回収した胚盤胞をレシピエントに移植しますが、この時、胚がしっかり育つようにレシピエントもドナー牛の発情時期と同じ時期(差は1日以内)に移植しなければなりません。 つづく・・・(*´▽`*) 前の記事 割り込み ☆新たな目標☆ | 次の記事 牛だって不妊治療⑦ |