(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
笹崎直哉のコラム
なに?ミルクが出荷できない?エピソード4

コラム一覧に戻る

2016年9月20日

 皆様お疲れ様です。先日ブレイクダンスを始めたばかりの友人から、「何度やっても逆立ちがうまく出来ない、教えてくれ」と言われたので教えてきました。逆立ちは頭から足先までの体の負重バランスが整っていれば綺麗に静止できます。しかし実際に逆立ちをしているときに自分がどんな形になっているかどうしてもイメージできないものです。なので、友人の逆立ち最中の写真を撮って体のどの部分がアンバランスなのかを、撮った写真を見せながら説明しました。写真の左が私(見本)、右が友人(改善前)です。腰の位置と足全体の方向を変えるように教えたら見事できるようになりました!!友人はとても喜んでくれました。ダンスは客観的な意見が大事です。私も練習のときはいろんな方に見てもらい意見を聞くようにしよう!と改めて思いました。今回は自分自身も勉強になり、良い経験でした。

では前回のコラムの続きに入ります。

 (亜)硝酸塩中毒に陥るとメトヘモグロビン血症になり、貧血またはチアノーゼを呈すと前回説明しました。しかし中毒量に満たない硝酸態を含む飼料でも長期に給与されると、慢性中毒になり、母牛の繁殖成績や増体、泌乳量への影響があるのではないかといられており、まだ結論は出ていませんが、研究が行われています。私の牧場実習での経験では先ほどの慢性中毒に該当すると考えておりますが、はっきりとは断言できません。

 ここからは予防の話になるのですが、植物が硝酸態窒素を多量に吸収し、蓄積してしまう原因として、窒素施肥過剰や降雨後の急な肥料成分吸収の例をお伝えしましたが、輸入乾草のスーダンなどから硝酸態窒素濃度が高いものがみられます。成牛の給与飼料だけではなく、第一胃の発達が不十分である離乳後の育成牛においても、自給飼料のみならず、購入牧草の品質も慎重に考慮しなければなりませんね。

 ちなみに私の故郷である長野県の特産品で野沢菜があるのですが、昔の農家さんは、牛さんが野沢菜(漬物好きの方にはおススメです!美味しいですよ!)を好き好んで食べるという理由で給与していたのですが、実は野沢菜は硝酸態窒素濃度が高いので、牛さんが貧血を呈したり、体調を崩したりetc…なんてことがありました(泣)。

|