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蓮沼浩のコラム
第448話:やっぱり1年1産です

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2016年8月25日

 リオで開催されていたオリンピックが閉会しました。日本の選手団の活躍はすごかったですね。でも、小生が一番驚いたのは閉会式。日本の演出のレベルが結構高く、なんだか次の東京オリンピックに期待がもてそうな内容でした。是非とも4年後のオリンピックの時は、日本の和牛をはじめとする肉用牛の素晴らしさが全世界に認められるきっかけとなればと思っています。柔道、競泳、体操、レスリング、卓球、そして・・・和牛です(笑)。
 
 
 繁殖管理で一番大切なことは何だろうか?今、子牛価格が高値であるからこそ、もう一度考えてみたいことです。小生が往診を回っている牧場で、非常にいい牧場だな~と思うところはほとんど1年1産を達成できています。多くの方々も繁殖経営で一番大切なこととしてこの1年1産をあげています。もちろん毎年子牛が安定して生まれてくるという事は経営計画を立てる上でも非常に需要なことは間違いありません。牧場に入ってみて、ざっと母牛の頭数を確認して、そのあとにおもむろに子牛の頭数を数えてみると・・・・す、少ない!!これでは今年の売り上げは大丈夫だろうか・・・。分娩が偏っているということもありますが、あきらかに子牛の頭数が少ない時はやはり問題です。では、みなさん自分の牧場の分娩間隔を正確に言えるでしょうか?

 「おう、たぶん1年1産はできちょっど!」と自信ありげに話してくれる農家さんもいらっしゃいます。それではということで計算してみると・・・・おもいっきり400日こえてるじゃん!

 何故小生がこの1年1産についてこだわるかといいますと、この目標をクリアーできている農場は間違いなく子牛の事故なども少なく、経営状態が安定しているからなのです。母牛を1年1産できる管理の仕方というものは、母牛を適正に管理している一つの指標なのです。特に分娩前後の管理が非常によく、そのために虚弱子牛が生まれるようなこともなく、子牛も健康にすくすく育ちます。極論すれば、1年1産を達成できるように管理すれば、おのずと子牛の状態もよくなり、その結果経営状態も改善する。

 子牛価格の良い今だからこそ、もう一度自分の繁殖成績を見直し、必ず1年1産を達成できるような繁殖管理システムを構築していただきたいです。この目標を達成できれば、必ず他のところもよくなりますから、まずは自分の牧場の分娩間隔を真摯な気持ちで見つめてみてくださいね。まずはここからですよ!

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