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数面麻子のコラム
第137話:暑い夏には肝臓ケアを

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2016年7月22日

 毎日毎日本当に暑いです。こんな暑い時でも餌を食べている牛さんはすごいなぁとぼんやり眺めながら仕事をしています。しかし、これだけ暑い日が続くと食べることが仕事の牛さんでもさすがに食欲がなくなります。

 食欲がなくなると、摂取カロリーが減るため、体を維持するために、体内に蓄えられている脂肪が肝臓に動員されます。これが、あまりにも急速に起こると、脂肪肝の原因になります。さて、和牛の繁殖母牛も泌乳期は、乳牛ほどではないにしても多くのエネルギーを母乳の生産のために費やします。その時期に食欲が落ちてしまうと、肝臓に負担がかかってしまうだけでなく、母乳の質が低下して子牛が下痢してしまうなどのトラブルが起こります。肥育牛では肝臓のケアを定期的にやっていらっしゃる方は多いかと思いますが、母牛の肝臓ケアの方はいかがでしょうか。肝臓はホルモンの代謝にも重要な働きをする臓器ですので、機能が低下すると繁殖成績に影響がでる可能性も考えられます。今年の夏もぜひ、授精待ちや子育て中のママ牛さんに肝臓支援をしてあげましょう。

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